エビデンスを「当てはめる」だけでは説明できない判断を、どう言葉にするか。

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エビデンスに基づく実践(Evidence-Based Practice, EBP)は、しばしば「良質なエビデンスを現場に当てはめること」と理解されます。けれども現場で起きているのは、そんなに一方向の作業ではありません。

目の前にいるのは、平均値ではなく、一人の人です。研究知見はその人に「そのまま」は当てはまらない。だからワーカーは、限られた手がかりから「たぶんこういうことだろう」という仮説を立て、次の一手を選び、反応を見て修正する。この、手がかりから最ももっともらしい説明へ跳ぶ推論を、パースはアブダクションと呼びました。

扱っている問い

  • EBPの実践は、演繹でも帰納でもなく、アブダクションとして記述できるのではないか。
  • 「エビデンスがない」場面で、熟練したワーカーは何を手がかりに判断しているのか。
  • その判断の質を、どうすれば教育の中で伝えられるのか。

エビデンスを軽んじるのではありません。むしろ、エビデンスがどこで、どのように判断に入り込むのかを、現場の推論のかたちに沿って描き直したい。それがこのテーマの中心です。